岩上:なんか、高校の先輩を見ているとちゃんと勉強して自分が目指す大学に入学してその後、輝いている人っていないなって思っていて。
せっかく頑張ったのに、大学入学するとみんな同じように遊んで、代わり映えのない大学生活を送って、それを見たときに、結局決められたルートをただ進んでいるだけだからそうなっているんじゃないかなと考えるようになったんです。
であれば、自分が本当にやりたいことに打ち込んで突き進んだ方がいいんじゃないかということで、進学校という環境の中でもサッカーを本気で頑張ることを選択しましたね。
おそらく人間誰しもがそうなんじゃないかと思うんですけど、自分は他人とは違うって思いがあると思うんですよ、自分は特別だ、とか。そういう思いを殺してまでみんなと同じように生きていくことが、当時プライドが高かった自分にとっては耐えられなかったというか、何としてでも自分らしさを発揮したいという思いがずっとありました。だから、ずっとプロを目指していたし、根拠もないけど自分ならできるんじゃないかと思っていました。
一人で頑張り続けることに対するしんどさはあまりなかったですね。できると信じていました。なぜ、と聞かれると理由を説明するのは難しいんですけど…なんかみんな大人になるの早いなあという印象があって、自分は少年らしく夢を追いかけていたいという思いはあったかもしれません。
というのは、シンガポールから帰国したときに、自分含めそれまで無邪気にボールを追いかけていた子供達と、日本人の子供達に感じたギャップがあって、日本人の方が早く現実を知ってどこかませているという感じたんです。
早く現実を知りすぎるが故にどこか冷めているというか、無理と決めつけるのが早すぎるというか。実際「あいつ何マジでプロ目指してんの?」とか「いや無理でしょ。」とか陰口もあったんです。
でも僕はそういうスタンスが好きじゃなくて、自分が言われて嫌だと思ってもいましたし、ダサいなと思っていたので、負けずに自分を貫き通そうということはずっと思っていました。