人生は自分次第で切り開いていけることに気付いた-西岡大穂

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「今の自分って頑張っていないとは言わないけれど、このままでいいのか」「このままの日々を過ごしていくことに不安を感じる」という人は多いのではないでしょうか。今回お話を伺った西岡さんも中学時代はサッカー部に所属して練習に励みながらも、どこか充実感を感じられない日々を過ごしていたといいます。



しかし、そんな自分に気づき、変わりたいと思い、一つ一つ行動を積み重ねていく中で、当時の自分から変化していったといいます。

注力している事

西岡:西岡大穂といいます。

出身は京都で高校は農業高校に通っていて大学からは鳥取大学の農学部に進学して鳥取県に住んで四年間が経っています。大学時代に、いちばん注力してきたことは、行政と地域の経営者の人と一緒に町の未来を考えるコンソーシアムの立ち上げです。


他には、約半年間週一で、駅前で地元の野菜を毎週売る八百屋さんをやっていたり、大山乳業協同組合さんとのコラボで、中四国全域にシュークリームを出させていただいたりしました。

※コンソーシアムとは、2つ以上の個人、企業、団体、政府(あるいはこれらの任意の組合せ)から成る団体であり、共同で何らかの目的に沿った活動を行ったり、共通の目標に向かって資源を蓄える目的で結成される。


引用wikipedia

大学からは単身、鳥取県に移り住んだ西岡さん。人とのつながりがない中、どのような経緯で行政や地域に住む方たちと連携してコンソーシアム立ち上げに関わるようになったのでしょう。

西岡:そもそも鳥取大学に進学する経緯となった高校時代の経験からお話すると、僕は農業高校に通っていました。そのため高校時代の三年間は野菜を作ったりしつつ、バイオテクノロジーの勉強をしていたんです。



農業高校には大学の研究室のようなものがたくさんあって、僕が所属していたのは芝生の遺伝子解析をしている研究室でした。その研究室の中で、大学や企業の方々と共同で研究をさせていただく機会があったのですが、その中でやっていた活動の一つが大手のゼネコン会社と一緒に、被災地であった宮城県の防潮堤の、のり面を緑化する研究開発でした。



その時にゼネコン会社のプロジェクトマネージャーの方と一緒に働かせていただけたのですが、その方が一会社員にもかかわらず、すごく生き生きと働かれていました。そのプロジェクトも被災地のために何かしたいという想いをベースに始められたものでした。



その人と一緒に研究を進めて関わっていく中で、自分の想いを持って働く姿をすごくかっこいいなと思いました。当時は研究者を目指していたんですけど、ただ研究をするだけではなくて、その研究の成果を世の中に還元するための社会実装を、想いを持って行なっていくことにすごく興味がわいてきました。



その経験から、大学進学にあたって、ただ学問研究をするだけでなくて、それを世の中に実装することを意識できるような学びができるところに行きたいなと思い鳥取大学の農学部に進学しました。

自分一人では何もできないと気付いた

高校時代の経験から大学に強く目的をもって入学された西岡さんでしたが、初めは思うように物事は進まなかったといいます。

西岡:大学に入った当初は、一年生からしっかりと研究をしたいと考えていたので、普通は3年生から、研究室に入るところを一年生から研究室に入れてほしいと、教授に相談をしに行きました。ただ結果は、どの教授にも研究は三年生からするものだからと断られました。



その時に、気づいたことは、自分一人では意外と何もできないということでした。高校の時は先ほど話したように企業との研究等を進めていて、高校生だとなかなかそういう人がいないので、表彰をされることもよくあったんです。



でもそれは、高校の研究室があって先生がいて、その高校でしかやっていない研究があったからこそ、いろんな人や場所で価値を感じてもらえていたということを痛感しました。いざ、いきなり自分個人として鳥取という何も土壌がないところで勝負すると、全く持って何もできなかったんです。自分は意識高く大学に入った中だったので、うまくいかなかったなという挫折感はすごく強くありました。

自分が決めた道を悪い道にしたくない

大学入学当初に思うようにいかない経験をした中でも、諦めずに行動を積み重ねていくと道が開けてきたといいます。

西岡:大学入学後、なかなかうまくいかなかったとはいえ、自分が決めたことだから悪い道にしたくない、鳥取に行ったからには鳥取でできることをしたいとも考えていて、何かやれることはないかなとずっと思っていました。


その時に、たまたま日本財団が鳥取に支部を作られたんです。その署長さんと偶然お会いして、そこから約一年間日本財団の方々にお世話になりながら、鳥取の経営者や、NPOや住民の方々と交流するようになりました。初めて地域づくりや町づくりに面白さを感じるようになっていきました。



鳥取に対して想いを持っている方たちとお話ししたりする中で、今までの鳥取県の取り組みは全部が年配の方主導で動いてきたという課題を共有しました。そして、これからは自分たち若い世代からも鳥取を盛り上げていく動きを作っていきたいという意志があり、その経営者の方と行政の方たちとコンソーシアムの立ち上げを行っていくことになりました。

農業高校に行こうと思ったきっかけ

心が折れてしまいそうな状態でも前を向いて進み続けた西岡さん。挫折の中でも前に進み続ける強さの奥にあったのは自分次第で現状は変えていけるという想いでした。

西岡:中学まではサッカーをしていたんですけど、サッカーをしていて楽しいものの、そこで一番になれるほどの実力があるわけでもなく、本気で一番を目指しているわけでもなくて、あまり中学生活は楽しくありませんでした。


そんな感じでもやもやとしていた時にたまたま、one ok rockの曲を聞いた時に「It’s all up to you」全部自分次第だという意味の歌詞があって、その歌詞を聞いた時に、今の自分は自分で楽しもうとしていないよなと気づき、高校では絶対、自分が楽しいと思えるようになりたくて、色んな高校を見て回り、一番自分が楽しめそうな農業高校を選びました。結果的にそうやって自分で選んだことで、高校では良い経験を積むことができたので、何かを始める段階では自分自身で決めて、やっていかないといけないという点は強く意識していました。


また、頑張り続けるという話で行くと、自分のようにに高校時代に運よくやりたいことを見つけて、その機会に恵まれた人間ってそもそもそれほど多くないなと思っています。多くの子が自分のやりたいことが見つからなかったり、そもそも考えるきっかけがなかったりする中で、自分はやりたいと思えることと出会い、それに向かって頑張れてきました。やりたいことを考えるだけでなく、実際にそれに向けて行動できること自体が、ものすごく幸運なことだと思っています。だからこそ、何か考えついたら、余計に行動したくなるということはあります。


もう一つは別の話になるんですが、すごくジャンプ系の漫画が好きで、自分も漫画の主人公のような生き方をしたいと思っているんです。そういう想いがあるからこそ、現状に満足せずに変わりたいという想いがあります。ただ、単純に主人公になりたいと考えているのとは違う点もあって、僕は自分だけが主人公としてどう生きているか考えているというよりも、全ての人に物語がある中で、自分という人は他の人の物語の中で、どんな人なんだろうかとか、そこも含めてものすごく考えています。


なので、自分の物語の主人公は自分だと思ってるんですけど、身の回りの面白い人の物語の中に登場できるキャラクターになりたいと思っているんです。

西岡:一人一人に物語があるという考え方は、自分自身が天才ではないという想いから生まれているんだと思います。天才ではない、でもそんな自分だって主人公のように生きたいと思っているからこそ、誰だって人生の主人公になれると信じているんです。


そう感じるようになったのは小学生の陸上の経験か大きいと思うのですが、駅伝で大きな大会に出場することを目指して朝は6キロ学校が終わってからも10キロ走るようなストイックな生活を送っていました。当時は、明らかに僕が一番練習しているという状態だったのですが、体格がでかいやつには勝つことができませんでした。体格差で勝てないことをすごく不満に思っていて、負けたくないから誰よりも頑張ったんですけど、結局勝てないということをずっと繰り返していました。


でも、そこで諦めたら自分は勝てない人間だと認めてしまうことになっていしまう。だからこそ、きっと正しい努力をすれば結果は出るはずだと信じて努力してきたことが、今の自分につながっているのではないかなと思っています。


そう思っているからこそ、自分と同じように天才でない人だって、主人公のような人生を歩めると思っています。

鳥取県に対しての想い

挫折を経験したものの、自分のありたい姿に向けて、再び走り出してきた西岡さん。現在はどのような活動をしているのでしょうか。

西岡:コンソーシアムの立ち上げとその運営を行っています。コンソーシアムを立ち上げた目的としては、鳥取県というこれからありとあらゆる課題に対して向き合わなければならない県が、本当にその課題に対して様々な関係者が向き合って課題解決に向かっていくための土壌を作っていくということです。


具体的には二つの活動をしていて、一つは鳥取にかかわりのある方を巻き込んでイベントの開催です。もう一つは、コンソーシアムの運営メンバーが抱える様々な問題解決で、メンバー同士で悩みを共有する場を作り、様々な立場の人が意見を出し合うことによって課題を解決しています。


前者では、鳥取の中で面白いことをしたいと思っているけどまだアクションを起こせていない人や、小さなアクションしか起こせていない人たちと、一緒に混ざりあってアクションをより深く考えたり、実際に行動を起こしてみるためのイベントを開催運営しています。後者では、運営メンバーとしてかかわってくださっている方の悩みや課題に対してみんなでできることを考え、実際に実行に移すというのが主な取り組みです。


様々な視点で課題解決に向けて動いています。具体例をお話しすると、地域をにぎやかにしたいと日替わりバーを始めた人がいたんですけど、馴染みがないために地域の人があまり店に来てくれないという課題を抱えていたんです。どうしたら良いか試行錯誤したんですけど、近所のお坊さんに手伝ってもらうと面白いんじゃないかとみんなで考えて、お坊さんがバーの店長をしながら住民の相談にのる坊主バー的なことをしてみたんです。


すると住民にとって今までなじみのなかったバーが顔なじみがやっている店に変わり、結果来てくださる住人も増えました。こういうアイデアは一人でやっている限りは出てこないアイデアだと思うんですよね。 

現在鳥取県で地域を巻き込みながら活動している西岡さん。今後としてはどのようなことを考えているんですか。

西岡:将来的には5年後10年後に自分が地域にとって介在価値の高い人間になっていたいなと思っています。東京などの都市圏では多くの人材が流動していると思うのですが、地方にはそこに住む人の作る経済があります。様々な関係当事者をつないだりしながら、その地域でしか描けないビジョンを掲げ、進んでいけるようなキーパーソンになりたいと思っています。


今は、自分が鳥取という町の一プレイヤーとしてという視点で街づくりに関わっているのでそこでできるだけ多くのことを学び、地域の未来を考えている人たちと一緒に、未来を考えていきたいです。

一人一人には自分の物語があると強くお話してくれた、西岡さん。自分だけに物語があるのではなく、誰にだって物語があると信じているのは、過去に、主人公のように生きることができていなかった過去があるからこそなのかもしれません。

西岡さんの変化の物語が今悩んでいる人が自分を信じる一歩につながることを願っています。

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