ホン:その後、日本に戻ってきてフィットネス×ITで事業をしているスタートアップでインターンをすることにしました。そこで、自分が作りたいアプリの提案をして、その企業のCTOの方と一緒にアプリ開発をすることになりました。
そこからアプリ開発にのめり込んでいったんです。その時に提案したアプリは、カレンダーを面白くするというものでした。本当に素人アイデアなんですけど。
カレンダーって面白くないから見ないし、いちいち予定を追加するのもめんどくさく感じるんだという考えから、面白くしたらみんなもっと見るようになるし、予定を見逃さず、記入ももっと楽にできると思い、そのアプリを形にするために色々なイベントに参加して、デザインができる人や、マーケティングができる人を探し回って、トータル7人くらい集めました。
住んでいるところもばらばらだったので、毎日夜リモートで開発を進めたんですが、僕が優秀な彼らをまとめきれなくて、結局出来上がったのは思っていたものとは全く違うものでした。かれこれ半年以上取り組みましたが、納得のいく落とし所を見つけられずに撤退することになりました。
そのときは本当に、なんとしてでも成功してやる、その一心でしかなかったので毎日朝5時くらいまで作業をして、2日に一回睡眠時間が2時間とかそんな状態でした。
でも一緒にやっていたこたちも無理がたたって、栄養失調になってしまったりし、そのとき初めてものすごい責任を感じたんです。自分がしっかりしなかったら、おおげさでなく、一緒に頑張っているやつの生活とか命すら脅かすことになるんだと。
そういう経験をして「自分舐めていたな」と気づいたんです。そんな甘っちょろいもんじゃなかったと。でもその後も、なんとしてでも成功するんだという気持ちをどうしても捨てきれなくて、一緒に開発していたこのところに行って頭を下げてもう一度アプリを作り始めました。
そのときは、ボロボロの服で東京にあるVCを全部叩きまわりました。門前払いされてばかりでしたが、もうそんなことはどうでもいいやと思っていました(笑)
今思えばめちゃくちゃ迷惑なやつだったと思うんですが、誰か力を貸してくれる人を見つけたくてVCをまわりまくって、プレゼンしてFBでボコボコにされて半泣きになりながら引き返す、みたいなことを繰り返す毎日でした。